愛は逃げ足が速いから 縁側のレシピ〜英太郎
- 作者: 藤たまき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2014/01/28
- メディア: コミック
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藤たまきさんの作品は、柔らかく優しい絵柄と裏腹に時にとてつもなく暗い人間の内面が見え隠れする。
姉を介して知り合った恩(めぐみ)と英太郎。
恩は成り行きで英太郎のダイエットを手伝うことになり…
そして2年のダイエット指導を通して仲良くなる二人だったが、その想いの方向性が実は全く噛み合っていないことに恩は気づかない。
物語の前半は恩視点の為か、ほのぼのとした雰囲気が続くが、
英太郎視点で描かれる後半からじわじわと英太郎の異常さが滲み出てくる。
英太郎は親に愛されず、常に飢餓感に苦しんでいる人間で、それ故に過食に走る傾向があった。
さらに幼い頃ペットの兎を喪ったトラウマがあり、「愛を逃さない為には逃げられないよう閉じ込めるしかない」という強迫観念を抱いている。
"愛は逃げ足が速い 野生の動物のように"
作中で英太郎が独白するこの台詞が印象深い。
物語の終盤、英太郎が強行手段に出た結果、恩は英太郎が「色んなものが足りていない」人間だと気付く。
足りていないもの。
それは居場所や温かさや愛だったり…
人が普通に生きていれば手に入るもの。
恩は英太郎を受け入れ、英太郎に足りていないものを与えると最後には決意する。
ヤンデレキャラが救済される終わり方なので、バッドエンドが苦手な方にもおすすめできる作品だ。
英太郎のヤンデレタイプは独占型と依存型だろう。
そして嫉妬心の代償が好きな人そのものに向くヤンデレの中でも危険な部類に入る。
*余談
- 作者: 藤たまき
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/09/30
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- 作者: 藤たまき
- 出版社/メーカー: 一迅社
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